ベージニオとは

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ベージニオは毎日飲むことで、がん細胞が増える過程(細胞周期)を止め続けることをコンセプトに開発された、ホルモン受容体陽性乳がんのお薬です。

- 細胞は細胞周期が1回転することで分裂し、増殖します。CDK4とCDK6はこの細胞周期を主にコントロールする物質です。
- 多くの乳がん細胞では、CDK4及び6が異常にはたらいており、無秩序に増殖します。
- ベージニオはCDK4及び6を阻害することで、細胞周期を停止し、乳がん細胞の増殖を抑制します。
ベージニオには治療目的が2種類あります。
【手術の後にベージニオを使う場合】
- 乳房の中に発生した乳がんを原発性乳がんと呼びます。乳がん細胞は乳管の外に出た状況になると(浸潤がん)、リンパの流れに沿ってリンパ節に、血液に入って全身に流れていく可能性があります。画像所見などで、乳房内とリンパ節にがんが留まる場合は、手術治療を基本とし、その前後に薬物療法や放射線治療を行います。原発性乳がんに対する治療のことを「初期治療」と呼びます。
- 初期治療の目的は、からだからがん細胞を完全になくすことです。目に見えるがんを手術で取りきった後、目に見えない、からだに広がっている可能性のあるがん細胞を消し去る目的で、全身に作用する薬物療法を行います。
- 手術の後にベージニオを使う場合は、ホルモン療法薬と一緒に、最長2年間服用します。

【再発・転移の治療でベージニオを使う場合】
- 初期治療で目に見えなくなったがんが、後から見えるように大きくなることを「再発」と呼びます。また、乳房から離れた骨や肺などにできるがんは「転移」あるいは「遠隔転移」と呼ばれます。これらに対する治療は「再発・転移の治療」として初期治療とは区別しています。
- 再発・転移の治療は、がんの進行を抑えたり症状を和らげることでQOL(生活の質)を保ちながら自分らしい生活を長く続けることを目指します。
- 再発・転移の治療でベージニオを使う場合は、ホルモン療法薬と一緒に、効果を確認しながら服用します。

ベージニオは1日2回、毎日服用するお薬です。
ホルモン療法薬と一緒に使います。
- 毎日決まった時間に規則正しく服用しましょう。食事の前後どちらでも服用することができます。
- 副作用の程度によって、1回の量を減らしたり、一時的に休薬することがあります。
- コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲んでください。
治療目的によって服用期間は異なります。
- 手術の後(初期治療)にベージニオを使う場合は、最長で2年間服用し、その後はホルモン療法薬のみを継続します。
- 再発・転移の治療にベージニオを使う場合は、効果を確認しながらホルモン療法薬と一緒に服用を続けます。

注意事項
副作用などで服用が難しい場合は、主治医に相談しましょう。
- 間質性肺疾患や肺塞栓症(静脈血栓塞栓症の一種)が疑われる症状 がみられたら、服用を中止し、速やかに治療を受けている医療機関に連絡してください。
決められた時間に服用し忘れたら、1回とばして、次の決められた時間に1回分服用してください。
- 誤って2回分を1度に飲まないようにしましょう。

他の病院や薬局に行く際は、必ずベージニオを飲んでいることを医師や薬剤師に伝えてください。
- ベージニオには、一緒にとることでベージニオの副作用が出やすくなったり、効果が弱まったりする食品やお薬があります。

グレープフルーツやグレープフルーツジュースの飲食は避けましょう。
